DEAD OR ALIVE 2020トーナメント覇者の原口健飛(22=FASCINATE FIGHT TEAM)が、同19年覇者の白鳥大珠(24=TEAM TEPPEN)に3-0で判定勝ちを収めた。19年から続いたライバル2人のストーリーに終止符が打たれ「やっと終わった。でもちょっと寂しい」と胸の内を吐露した。さらに「ここまで強くしてもらってありがとう。ごはん食べに行きたいんで、よろしくお願いします」とリングを去る白鳥に語りかけた。

ミスした方が負けというハイレベルな戦いの中、王者のディフェンスが光った。白鳥のスピードある攻撃をことごとく退け、ヒットさせなかった。攻撃では2Rに2回のダウンを奪い、その後も優位に試合を進めた。

2週間前の公開練習では「40%くらい」だった仕上がりを当日100%にしっかり持ってきた。20戦の経験から疲労を抜くことの大事さを覚えた。体重を毎日チェックし「何日で疲労が抜けるとか、減量してからの動きや息が上がる状況を自分で把握している」と自分の体と向き合い、トレーニングを続けてきた。

昨年10月の「DEAD-」では決勝で当たるかと思われたが、白鳥が準決勝で敗退。今大会は当初、それぞれ外国人選手との対戦が決まっていたが、緊急事態宣言延長による入国困難で、カード変更。思わぬ形での新旧王者対決に戸惑いもあった。「早すぎる。実績作ってから挑戦してこい」と思ったこともあった。それでもRISE伊藤代表から直々に変更を告げられ「今活躍できているのは伊藤代表のおかげ。こんな(緊急事態の)時に応えないチャンピオンはいない」と承諾。白鳥に対しても「正直国内で1番強い。立場は上でもずっと追い掛けていた人」と正直な気持ちを明かした。

普段から自信の発言が見られるが、実は少し怖がりな部分も持つ。「これまでで1番のプレッシャー。恐怖や不安もあったし、1人で泣いた日もあった」と明かした。12日の公開練習では「めちゃくちゃびびっている」と話し、前日計量でも「過去一びびっている」と不安を吐露。19年3月のマルティネス戦で、外国人に恐怖を感じ、フィジカルを徹底的に鍛え始めた。下半身を強化し、蹴る瞬間のトップスピードがアップ。「フィジカルで勝っていれば、相手もびびると思って」。さらに「(白鳥は)男前で、顔も身長も負けている。男として完璧。唯一勝っているのがフィジカル」と鋼の肉体で白鳥を圧倒した。

「運命だと感じる。20年で王者となって第1章が終わった。21年は追い掛けていた白鳥を倒して第2章を始めたい」。因縁の対決を制し、王者の意地を見せた原口が、21年好スタートを切った。【松熊洋介】

RISE全試合結果はこちら―>