格闘技イベントRIZIN28大会が13日、東京ドームで行われる。同会場での格闘技は18年ぶり。夢の祭典がいよいよ開幕する。

日刊スポーツでは同大会の見どころを紹介する。第3回はバンタム級トーナメント1回戦、元谷友貴(31=フリー)VS岡田遼(32=パラエストラ千葉)の「DEEP対修斗」王者対決。

「自分がDEEPだと思っている。修斗には負けたくない」。淡々と語る表情にも自信がうかがえる。DEEPではフライ級、バンタム級王者に輝くなどトップに君臨し続ける元谷。RIZINではドクターストップなどの無効試合を除けば4勝4敗だが、初参戦の岡田よりも経験がある分、有利だと言われる。「リングに自分が慣れているとは思っていない」と慢心はない。

昨年末からフィジカルを強化してきた。大みそかの大会では井上のチョークに1回タップアウト負けし、強さを発揮できなかった。5日の公開練習では軽々と二重跳びする姿を披露。着地点がほとんど変わらずに安定しており「普通にやれば、200回くらいはできる」と語った。「数値も伸びているし、体幹もよくなった」とトレーニングの効果を口にした。POWER OF DREAMのジムにも出稽古に行き、打撃の技術や朝練でのランニングでスタミナ強化に取り組んだ。

頭脳戦を仕掛けてくることが予想される岡田に対し「本当にそうなるかは分からない」。嫌な部分を狙ってくることについても「研究はされていて、癖とか分かっていると思う。別に性格が悪いとは思わない。勝つためには嫌なところで戦うのが普通」。DEEPのプライドを持ち、常に王者の落ち着きを見せているが「トーナメントなんで優勝すれば、今までの負けがひっくり返せるので楽しみ」と静かに闘志を燃やしている。

 

現・修斗世界バンタム級王者の岡田は、RIZIN初参戦の舞台が東京ドームとなったことに「東京ドームの大舞台でも普段の後楽園ホールと同じように戦う」と全く気にしなかった。さらにSNS等で勝敗予想をされていることに対しても「誰かの評価で自分のモチベーションが変わったりしない」と言い切った。

元谷については「ムラがあるというイメージ」と明かした。練習をともにする扇久保が、元谷と対戦経験があり、情報収集もバッチリ。「リスクを負わず堅実に攻めていくが、フィニッシュも狙う」とKOも視野に入れる。1カ月延期となったことで、3月の試合で痛めた箇所も完治し、万全の状態で勝負できる。

DEEP主戦場の元谷と、団体を代表して対決する。「修斗対DEEPの戦いとして見てください」とこちらも譲らない。「修斗でやらないといけないことはやって責任を果たした。今までは修斗で迎え撃っていたが、最後は外に出てチャレンジする」。

今年大みそかの決勝で、扇久保との戦いを望む。「今年の1年は長いから」とアドバイスをもらい、今までのがむしゃらな練習から、少し力を抜き、体調管理を意識し始めた。初登場のRIZINのリングで、扇久保とともに修斗の力を見せつける。【松熊洋介】