7月29日に白星デビューを飾った女性版タイガーマスクことタイガー・クイーンについて、ストロングスタイルの代表理事を務める、新間寿氏(86)が熱い思いを語った。26日、同団体と、ジャガー横田らが所属する「ワールド女子プロレス ディアナ」の業務提携発表会見に出席し「持ち味を出してくれた。次も期待したい」と語った。

新間氏は、クイーンのデビュー戦後、そのパフォーマンスに納得がいかない思いを報道陣に語っていた。ネットなどでクイーンの戦いを絶賛する声が大きい中「もう一つ響かなかった」と明かした。報道を目にしたコーチ役のジャガー横田から「言葉が意味がよく分からなかった」と言われ、この日その真意を明かした。

新間氏 いい試合だったと思ったが、後楽園の入り口を出た時に「どうでしたか?」と聞かれ、言葉に詰まった。リング下で見ていた初代タイガーのデビュー戦は40年たった今でも映像で流れたりする。クイーンのデビュー戦が10年たってもよかったと語り継がれる試合になるだろうかと。

クイーンの戦いを否定しているわけではなかった。過激な仕掛け人として自らが作り上げた初代タイガーマスクはデビュー戦で観客の反応がなく、手応えを感じなかったが、後に声を出せないほど素晴らしい戦いだったことが分かり、後生に語り継がれた。新間氏の発言は、クイーンにもそのようになって欲しいという愛情からのものだった。「子どもや孫からもいい試合だったと言われた。猪木さん、藤波、長州…。私の中には英雄しか残っていなかったから。クイーンへの期待だと思って捉えてもらいたい」と本音を明かした。

クイーンはデビュー2戦目となる9月5日の大会でディアナの佐藤綾子と対戦する。10月にも試合を行うことが決定。新間氏は「今の新しいプロレス界に旋風を巻き起こしてくれると確信した」と改めて強調し、最後に「私はプロレスが大好きなんだ」と力強く語った。【松熊洋介】