プロレスリング・ノア福岡大会が、30日に福岡国際センターで行われる。10日に16年10月以来2度目のGHCヘビー級王座戴冠を果たした中嶋勝彦(33)は、メインイベントで、田中将斗(48)と初防衛戦を行う。

新王者中嶋は、目を光らせる。「俺はまだ田中将斗の味を知らない。だから食いつぶしてやる!」。天敵と言っても過言ではない。これまでの直接対戦では3戦3敗。今秋、連覇を果たしたN-1でも、唯一完敗した「想像を超えてくる」相手だ。それだけに「本当の意味でN-1を制したとは言えない」と、田中超えを大きなターニングポイントに掲げる。

歴史を動かす。それが、中嶋政権のマニフェストだ。08年3月にノア参戦。生え抜きではないが「ノアをぶっ壊してやりたい」。言葉に力がこもるのも、団体を盛り上げたい思いを人一倍抱いているから。武藤敬司や藤田和之らレジェンドが第一線で活躍する現状に、危機感を募らせる。「俺ら世代の意地もある。そこをまず変えていかないといけない。下の世代もどんどん来てほしい」と活性化を訴える。理想は、GHCヘビー級を誰でも挑戦できる幅広いベルトにすること。「可能性を広げるなら他団体でも構わない」と、どこからでも受けて立つ構えだ。

高い意識は私生活にも現れている。リングを降りても、常にプロレス思考。街行く人々を見つめながら「あいつの腕をどうやったら取れるのか、後ろから回るにはどうしたらいいのか」と想像を巡らせる。普段からの警戒心が、想定外の攻撃への対処能力として、試合に生かされているという。

ケガの管理にもストイックだ。「俺にオフはない」と自重トレーニングやウエート、さらにはピラティス・メソッドを取り入れ、30歳を超えても若々しい肉体を維持する。

初防衛戦を生まれ故郷の福岡で戦う。小1で愛知県へ移住したため「博多弁、しゃべれるかな」と笑うが、地元を盛り上げたい思いは強い。「間違いなくいい試合をする」。中嶋が、いつもの大胆不敵な笑顔で宣言した。【勝部晃多】