WBOアジア・パシフィック・スーパーウエルター級王者井上岳志(31=ワールドスポーツ)が敵地でWBO世界同級1位ティム・チュー(27=オーストラリア)に敗れた。

日本未公認王座のWBOグローバル同級王者でもあるチューに挑戦し、0-3の判定負けを喫した。WBO世界同級6位でもある井上にとって世界ランカー対決。「簡単に勝てるとは思っていない。中盤から終盤にKOで勝つ」とアウェーでの戦い方を意識しながら、世界前哨戦として臨んだ1戦だった。

元3団体統一スーパーライト級王者コンスタンチン・チューを父に持つ地元の人気スター選手のプレッシャーを序盤から受けた。前に出てくるチューに手数多く攻められた井上は、ガードを固め、カウンターを仕掛けた。4回にはコーナーに追い詰められ、右ストレートや右アッパーを浴びた。5回にはチューのラッシュで後退。6回には左フックで反撃したが、ボディーブローなどパワフルな強打に対抗できなかった。

9回以降、疲労のみえてきたチューに対し、井上は連打で応戦。終盤にかけて粘りのファイトをみせたが、最終12回にスリップ気味にバランスを崩してダウン。最後まで主導権を握れなかった。スーパーウエルター級でWBO1位、IBF、WBCでは3位に入る世界トップの強豪チューの保持する王座を奪うことはできなかった。