WBO世界スーパーフライ級6位の福永亮次(35=角海老宝石)は、世界戦初挑戦で0-3の判定負けを喫した。

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世界4階級王者、WBO世界スーパーフライ級4度目の防衛戦となった井岡一翔(32=志成)に挑み、序盤から積極的に攻めた。だが有効打は少なく、7回には鼻から流血。終盤も手数では上回ったがガードの上からでダメージを与えるには至らなかった。試合後は「自分のボクシングをさせてもらえなかった。うまかった。パンチが当たっても倒れる気がしなかった」と、目を腫らして振り返った。「判定に納得しているか?」の問いにも「はい」と即答し、完敗を認めた。

大阪・高槻市に生まれ、地元中学を卒業後に父が経営する型枠大工の仕事に就いた。エディ・タウンゼントジムに入門したのは25歳。27歳目前の13年8月のプロデビュー戦は4回判定負けと、世界戦とは縁遠いところにいた。18年には連敗し、1度は現役を引退。それでも約1年前の20年12月14日に日本、東洋太平洋、WBOアジア・パシフィックの3冠王者となった。紆余(うよ)曲折を経てたどり着いた初めての世界戦だったが、力尽きた。「結果を残せなかったら何も意味がない」と、肩を落とした。それでも、井岡については「思っていた通り、教科書通りの完璧な、隙のないボクサー」と絶賛。すがすがしい笑顔も見せていた。

引退については「35歳で、これ以上はないという気もしますが1回考えます」と明言しなかった。一方で型枠大工の仕事については「(1月)6日ぐらいから」と、笑顔を見せながら早期再開の計画を明かした。通算成績は20戦15勝(14KO)5敗となった。