鷹木信悟の22年は、悔しい幕開けとなった。

【新日本1・4】オカダ・カズチカIWGP世界ヘビー級初戴冠 鷹木に勝利/詳細>

勝利の秘策として話していた「オカダを怒らせる」ことには成功したが、自身のパンピングボンバーがオカダのレインメーカーを上回ることはなかった。試合後、「勝者が正義とあれだけあおって負けたんだから何も言えねえよ」と唇をかんだ。

新日本プロレスの東京ドーム大会は、子供のころからテレビで見ていた夢舞台。プロレスラーになってからも、自らチケットを買って見に行くこともあった。そんな憧れの地に、鷹木はメインとして誰よりも最後に入場を果たした。「夢のようだ」と、17年の歩みを振り返った。

身近な人からの声援が力になった。12月上旬、恩師であるアニマル浜口氏の浜口道場を訪れた。移転したばかりでまだ真新しい道場の壁には、たくさんのメッセージが書かれていた。「鷹木が来るからって、浜口会長が道場生と一緒にやってくれたそうで」。ずらりと並ぶ「気合だー!」の文字に、背中を押された。

元気ハツラツおじさんと称される鷹木は、何度だって立ち直る。「今度こそゼロからやり直すよ。まだ今年は始まったばかりだから陽はまた昇るはずだ」。昇り龍の翼はまだ折れてはいない。【勝部晃多】

◆鷹木信悟(たかぎ・しんご)1982年(昭57)11月21日、山梨県中央市生まれ。アニマル浜口ジムを経て、04年10月にドラゴンゲートでデビュー。18年、新日本プロレスのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに電撃加入。19年、IWGPジュニアタッグ王座を初戴冠。同年ヘビー級に転向。21年6月、第3代IWGP世界ヘビー級王者に輝くと、同年のプロレス大賞MVPを受賞。得意技はラスト・オブ・ザ・ドラゴン。178センチ、100キロ。