プロボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が年内の4団体王座統一戦実現へ、WBO世界同級王者ポール・バトラー(33=英国)の本拠地に乗り込む姿勢を示した。

6月7日、さいたまスーパーアリーナで、WBC世界同級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)との3団体王座統一戦に備え、12日に所属ジムで練習し、8回のスパーリングなどを消化。ドネア戦クリア後、WBO新王者バトラー(33=英国)の本拠地で4本のベルトを統一することも視野に入れていることを明かした。

「先の話になりますが」と前置きしながら、井上はドネア戦後のプランを口にした。2度の失態で王座剥奪されたジョンリール・カシメロ(フィリピン)に代わり、WBO王者がバトラーに代わったことを受け「ドネア戦をクリアすれば、バトラー戦など選択肢は広がると思っています。今はドネア戦に集中して、その先に進めればと思っています」と目を輝かせた。

既に所属ジムの大橋秀行会長(57)とも4団体王座統一戦について話し合っているという。約2年1カ月ぶりの国内世界戦となった昨年12月のアラン・ディパエン(タイ)戦の勝利後、スーパーバンタム級への転級に関する発言が多かった。「そもそも4団体王座統一戦は選択肢として外していないです。やれるものならやりたいと思っています」と強調した。

バトラーは昨秋、米プロモートのプロベラム社と契約を結んだ。ドネアと同じプロモート会社となるため、井上は「やれる可能性も高いと思っています。(大橋秀行)会長とも話していますが、英国に行ってもいいと思っています」とやる気満々。井上の発言を受け、大橋会長も「次の次の話になりますが、もしドネア戦をクリアすれば(4団体王座統一戦を)日本でも海外でもやりたいと思っています」と付け加えた。

約2年7カ月ぶりとなるドネアとの再戦まで1カ月を切った。日本人初の3団体王座統一戦に向け、平常心を貫きつつ「モチベーションが高い中、バンタム級の調整はうまくいっている。モチベーションさえあれば、バンタム級が1番の適正階級だなと思う」とうなづいた。バトラーからも4団体統一戦のラブコールがある。年内の4団体王座統一戦を意識しつつ、井上はドネアとの再戦を制することに集中している。