ボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(29=大橋)が1ミリ単位のこだわりで「勝負シューズ」を選択する。13日に東京・有明アリーナで行われるWBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦に向けた横浜の所属ジムでの練習を9日、打ち上げた。大橋秀行会長が「体重も完璧に予定通り」と太鼓判を押した大一番に備え、靴ひもの穴の数が異なるミズノ製のボクシングシューズ3種類を用意。足の感覚を重視し、試合までに1足を選ぶという。

井上のシューズを担当するミズノ社の折田恵一氏によると、バトラー戦に備えて、練習では靴ひもの穴の数が8個、10個、12個の3種類を並行して使用。足首へのフィット感が異なるという。同氏は「井上選手には毎回、靴ひもの穴数をいくつにするのかを確認して製作します」と説明。1ミリ単位の感覚を大切にしていると明かした。

サッカーFIFAワールドカップ(W杯)1次リーグのスペイン戦で注目を集めた日本代表MF三笘薫のゴールラインギリギリでの折り返し。このプレーに井上が「勝負の、本当に1ミリ単位の世界で闘っているというところに刺激を受けた」と共感した姿勢は、シューズ選択に表れている。今回のW杯に出場したミズノ社契約選手は吉田、権田、守田、田中、相馬の5人。史上最多となった。折田氏は「サッカーは『新しい景色』を目標に闘っていました。井上選手にも日本初の4団体統一でボクシングで『新しい景色』をみせてほしい」とエールを送った。【藤中栄二】

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