昨夏にプロボクサーとしてデビューした08年北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストでサトシ・イシイ(石井慧、36=ミツキ)が日本人として臨んだ再デビュー戦で引き分け、ボクシング引退を表明した。

こちらも同級2戦目というハン・チャンス(韓国)との同級4回戦に臨みジャッジ3人のうち2人が引き分け採点の1-0でドロー。試合後、イシイは「これでボクシングは最後」と引退宣言した。

左右フックやボディー攻撃など手数の多いハンに対し、イシイは接近戦で攻め、細かいパンチを繰り出すと左ショート、左フックを顔面にヒットさせた。昨年8月、クロアチア国籍と同国ライセンスで高山秀峰(スパイダー根本)との同級4回戦に判定勝ち。今回は大阪・ミツキジム所属選手として国内ライセンスを取得。日本人選手としての再デビュー戦だったが、引き分けた。

昨年末にクロアチアから帰国しボクシング初戦で対戦した高山らと週3回、スパーリングを重ねてきた。総合格闘家としての実績もある。十分に準備した上で勝てなかったことが悔しかった様子。「ちょっと煮えきらない試合をしました。ボクシングは難しいと思う」と厳しい表情だった。【藤中栄二】