キックボクシング42戦無敗を誇る人気格闘家でプロボクシング転向を表明している那須川天心(24=帝拳)が9日、日本ボクシングコミッション(JBC)のB級(6回戦)のプロテストに合格した。東京・後楽園ホールで筆記試験、シャドーボクシング、3回のスパーリングに臨んだ。

スパーリングパートナーを務めた日本バンタム級1位の南出仁(27=セレス)は「日本ランク1位のプライドもあるのでプロの洗礼を浴びせるつもりでリングに上がったけど、強かったですね。ジャブも、足も、カウンターも想像以上に速かった。F1レーサーのようだった」と、那須川のスピードとボクシングセンスを絶賛した。

南出の戦績は7勝(5KO)2敗。駒大ボクシング部出身でアマチュア経験もあり、3月20日に日本バンタム級王座挑戦を予定している国内トップレベルのボクサーだが、那須川に決定打を打ち込むことはできなかった。「今回はいいチャンスをいただいたと逆に感謝している。貴重な経験をさせてもらった。キック界の神童と手を合わせただけでも勉強になった」と謙虚に語った。【首藤正徳】