第6代IWGP世界ヘビー級王者のオカダ・カズチカ(35)が、KOPW2023保持者、鷹木信悟(40)の挑戦を退けて初防衛に成功した。

最後は32分7秒、レインメーカー(短距離式ラリアット)でとどめを刺し「おおさか~!」と絶叫。次期挑戦者に棚橋弘至(46)を指名し、「最後の挑戦だと思ってこの俺にかかってきてくださいよ」と力強く迫った。

22年のプロレス界をリードしたオカダと、21年の鷹木。チケット完売の大阪で、互いの意地と意地をぶつけあった。場外でデスバレーボムをさく裂されて先制を許したが、ならばとオカダも場外でツームストンパイルドライバーをお返し。白熱のエルボー合戦で感情をむき出しにし、必殺技の応酬で魂を燃やした。鷹木の必殺技となるメード・イン・ジャパン、ラスト・オブ・ザ・ドラゴン(ともに変形デスバレーボム)、パンピングボンバー(ラリアット)を全てはね返し、最後は右腕で30分超えの死闘に終止符を打った。

コロナ禍、声援のない中で新日本の先頭を走ってきた2人だけにしかわからない思いが、そこにあった。歓声が解禁になった会場でオカダは「ずっと歓声なしで戦っていましたけど、今日戦ってもっと最高だってわかったよ。またやろうぜ」と、最高のライバルをねぎらった。そして「1つだけ言わせてもらうけど、これがプロレスだよ」と宣言。「これが新日本プロレスだよ」と、こみ上げる感情をかみしめた。

11年前、新日本にカネの雨を降らせるレインメーカーとして凱旋(がいせん)帰国し、即王座戴冠の「レインメーカーショック」を起こした。思い出の地、大阪に新たな思い出を刻んだオカダ。11年前の対戦相手だった棚橋を、次期挑戦者に指名した。「棚橋さん、大丈夫ですよ。もう俺がいるから最後の挑戦だと思ってこの俺にかかってきてくださいよ」。18日(日本時間19日)開催の米国大会で対戦が決定的になった。エースに引導を渡す。