元WBC世界バンタム級暫定王者で現WBA同級2位の井上拓真(27=大橋)は、前4団体統一バンタム級王者の兄尚弥(29=大橋)が返上したベルトの再統一を目指す。同級3位リボリオ・ソリス(40=ベネズエラ)とのWBA世界同級王座決定戦に「兄がスーパーバンタム級に転級してチャンスがきた。その兄が最初にバンタム級で得たのもWBA王座。これも何かの縁」と気合十分だった。

19年11月にWBC世界同級正規王者ウバーリ(フランス)との団体内王座統一戦に敗れて王座陥落。約3年5カ月ぶりに世界王座返り咲きのチャンスが巡ってきた。「敗戦からいろんな経験をしてきて、今が一番世界を取れる自信がある。最終的に4つを集めたい。いつまでという期間は気にせず、まずは1本1本取りにいきたい」と、偉大な兄と同じ最強王者への道を歩む覚悟だった。

◆井上とWBAバンタム級王座を争う同級3位ソリス 私の人生にやってきた新たな挑戦。全力で立ち向かう。チャンスを辛抱強く待ち続けてきた。拓真のことは知っている。兄も彼もグレートなボクサーだ。

○…WBOアジア・パシフィック・ウエルター級タイトル戦も4月8日、東京・有明アリーナで開催される。同級王者佐々木尽(21=八王子中屋)が同級1位小原佳太(36=三迫)との初防衛戦に臨む。1月に新王者となった佐々木は「日本人初のウエルター級世界王者に輝く男。小原戦は世界への切符」と意気込んだ。世界挑戦経験のある小原は「また小原が若者の芽をつむのかと。勝っても世界はいけませんが、世界には近づく」と冷静だった。