レジェンドからの勝利をつかむことはできなかった。

SKE48荒井優希(24)が、アジャコング(52)と初のシングルマッチを行うも、垂直落下式ブレーンバスターで3カウントを奪われた。

エルボーは全く効かない。10発、20発と浴びせるもアジャは微動だにしなかった。逆にエルボー1発で倒れ、その後、豪快な張り手を食らった。さらに得意技「Finally」出す右足に一斗缶攻撃を受け、劣勢が続いた。

それでも場内からの「荒井」コールに立ち上がり、反撃。「実力差があっても勝つと思って応援してくれる人がいる。どんな形でも勝ちたかった」と練習してきた「Finally」をさまざまな状況でさく裂させ、レジェンドをあと1歩のところまで追い込んだ。

「これからも続けていきたい」と思わせられた相手だった。プロレスに魅了され、2年前からリングに上がり、5戦目でシングル初勝利と順調な滑り出しだったが、技の力強さやスピードはまだまだだった。アイドルとの両立を言い訳にはしたくない。忙しい合間を縫って練習に、試合に励んでいた中でのアジャとの対戦。タッグマッチで1度は勝利したが、荒井自身は「Finally」を出すことすらできず“完敗”だった。その悔しさが「プロレスをもっと知りたい」と思うきっかけとなった。

実力差は承知の上。それでも、2年弱という経歴は団体の中では“若手”ながら「逃げるつもりはない。勝って東京女子の勢いを下から突き上げる」と真っ向勝負を挑んだ。試合後は悔しい表情を見せながらも「またやろう、って言ってくれたので、絶対成長して驚かせたい」と再挑戦を誓った。「プロレスラー荒井優希」にとって、アイドル活動では味わえない、レジェンドとの対戦。敗れはしたが、貴重な経験を糧に、また明日からもプロレス業に精進する。