無敗を誇った人気格闘家・那須川天心(24=帝拳)が8日、プロボクシングデビューを果たす。

東京・有明アリーナで行われるスーパーバンタム級6回戦で、日本バンタム級2位の与那覇勇気(32=真正)と対戦する。

那須川は2月9日にB級(6回戦)のプロテストを受けて合格した。通常アマチュア経験のない選手はC級(4回戦)の受験になるが、那須川はプロ格闘家としての実績が認められて、飛び級でのデビューで、いきなり日本ランカーとの対戦となる。

那須川が目指すキック出身のプロボクシング世界王者は、現キーウ市長で元WBC、WBO世界ヘビー級王者のビタリ・クリチコ(ウクライナ)をはじめ名王者も多い。以下はキックボクシングから転向した主なプロボクシング世界王者。

 

◆センサク・ムアンスリン(タイ) ムエタイのスーパーライト級王者として無敵を誇り、74年11月のプロボクシング転向初戦で世界ランカーに初回KO勝ち。8カ月後の3戦目にWBC世界スーパーライト級王者ペリコ・フェルナンデス(スペイン)を8回KOで撃破して世界王座奪取。3戦目での世界王座奪取は今も最短記録。通算8度防衛に成功。

◆サマート・パヤクアルン 80年代にムエタイでミニマム級からフェザー級までの4階級を制覇。82年にプロボクシング転向。86年にWBC世界スーパーバンタム級王者ルペ・ピントール(メキシコ)に5回KO勝ちして世界王座獲得。2度目の防衛に失敗して、88年に引退も93年に復帰。世界再挑戦したが失敗した。

◆ジェームズ・ワーリング キックボクシングで83年にWKAクルーザー級王座、84年にFFKAスーパーヘビー級王座を獲得。85年にプロボクシング転向。91年9月にIBF世界クルーザー級王者ジェームス・プリチャード(米国)を当時世界最速の初回36秒でKOして世界王座奪取。2度防衛に成功した。97年の引退後はK-1のリングにも上がった。

◆ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ) ムエタイで3階級制覇した後、94年12月にプロボクシングデビュー。翌95年9月に4戦目でダオルン・チュワタナ(タイ)に判定勝ちしてWBC世界バンタム級王座を獲得。初防衛戦で敗れたが、98年12月に辰吉丈一郎に6回KO勝ちして同王座に返り咲いた。同王座は長谷川穂積に敗れるまで14度防衛した。

◆ビタリ・クリチコ(ウクライナ) 17歳でキックボクシングデビュー。93年には全日本キックボクシングの興行で来日して勝利を収めた。その後、ボクシングに転向して95年世界選手権スーパーヘビー級で銀メダル。96年にプロ転向。99年6月にハービー・ハイド(英国)からWBO世界ヘビー級王座奪取。3度目の防衛戦で敗れたが、その後、WBC王座を2度獲得した。現在はキーウ市長。