「旧姓・木村花(旧姓・広田さくら)」が、特別な日のリングに上がった。スペシャルマッチの相手「X」は当日発表の中、会場内に流れた曲は「風になれ」。ファンも「X」が誰なのか、分かったが、誰よりも戦々恐々としていたのは「旧姓・木村花」だった。コーナーから逃げようとしたが、レフェリーらに止められた。

序盤は、みのるコールだったが、会場内はすぐさま花コールに切り替わった。最初は怖がっていた「旧姓・木村花」だが、鈴木にボラギノール(かん腸)を決め「やれるものなら、かかって来いよ」と挑発。それでも、最後はゴッチ式パイルドライバーの体勢に入ったところで、レフェリーストップとなった。

それだけでは、終わらなかった。試合後、リング上で鈴木が握手を求めると、まさかの「旧姓・木村花」が奇襲攻撃。怒り狂った鈴木はリングサイドに設置されているプラスチックの柵を持ち上げ、反撃に繰り出そうとし、危うく場外乱闘に発展しかけたが、最後は冷静を取り戻した。

この日は、2020年に22歳の若さで亡くなった女子プロレス団体スターダムに所属していた木村花さんの命日。「旧姓・木村花」は「花ちゃん、今年もお祭りの日が来たね。私の家には、花ちゃんボックスってのがあってね、いつ呼ばれてもいいようにカツラとかまつげとかセットにしてしまってあるの。今年も出勤するから、また笑って許してね」と、リングに上がった。そのカツラは、鈴木との激しい攻防で何度も脱げかけたが、思いをリングで体現した。