プロボクシング元日本ミニマム級王者でWBC世界同級10位の田中教仁(38=三迫)が、6月28日にタイ・ラコーンで同級王者パンヤ・プラダブスリ(32=タイ)に挑戦することになった。9日、所属ジムから発表された。

昨年8月に王者パンヤに判定負けして以来、約10カ月ぶりのダイレクトリマッチでの挑戦となる。田中は「この度、突然のWBC世界タイトルマッチ挑戦、昨年8月以来の再戦というオファーをいただき、自分としては断る理由が1つもないので試合させていただくことになりました。突然、舞い降りたチャンスで年齢的にもラストチャンスだと思います」と所属ジムを通じて意気込みを示した。

田中にとって20年3月、タイでWBA世界同級スーパー王者ノックアウトCPフラッシュマート(タイ)に判定負け、昨年8月のパンヤ戦に続き3度目の世界挑戦となる。田中は「ジムも全体的にバックアップしてくれて、最高の練習ができています。ジムや関わってくれるすべての方に感謝して全力で世界のベルトを奪います。日本の皆さま応援よろしくお願いします」と“三度目の正直”で世界ベルト奪取する意欲をみせた。

王者パンヤは当初、4月16日、東京・代々木競技場第2体育館で重岡優大(ワタナベ)との防衛戦を予定したものの、試合直前でのインフルエンザ感染で中止となっていた。現在、WBC世界同級暫定王座は重岡が保持しており、パンヤ-田中の勝者が、いずれ団体内王座統一戦で対決することになりそうだ。

国内記録の大幅更新にも期待がかかる。日本男子最年長の世界王座初奪取は、WBC世界フェザー級王者越本隆志の35歳0カ月(返り咲きは長谷川穂積の35歳9カ月)。勝てば38歳3カ月での新記録となる。さらに日本人によるタイでの日本ボクシングコミッション(JBC)公認の世界戦は63年1月、ファイティング原田が判定負けしてから25敗1分け。所属ジムでは82年にWBC世界ライトフライ級王座を獲得した友利正以来、41年ぶりの4人目の世界王座を狙う。