13日の試合中に頭を強打し、46歳で亡くなった人気プロレスラー三沢光晴選手が所属したプロレス団体「ノア」の興行が14日、福岡市の博多スターレーンで予定通り行われ、ファンが早すぎる死を悼んだ。

 満員の会場では第1試合の前に追悼のゴングが鳴らされ、三沢選手の入場曲とともに観客は一斉に「ミサワ」コールを送った。福岡県遠賀町から訪れた鹿野利恵さん(39)は会場に設けられた献花台に花を手向け「三沢さんの試合を楽しみにしていたのに。三沢さんがいたからプロレスを好きになった」と大粒の涙を流して合掌した。

 三沢選手最後の試合で対戦相手の1人だった斎藤彰俊(43)はこの日の試合後、リングサイドに飾られた遺影に向かって土下座。「(三沢)社長はまだまだやりたいことがあったのに。おれがあんなことをしちゃって。どんな重い十字架でも背負う」と涙ながらに話した。

 「ノア」は今後も予定通り興行を開催する方針。百田光雄副社長は「(三沢さんは)満身創痍(そうい)でもリングに上がった。遺志を継ぎたい」と話した。遺体は東京に運ばれ、近親者だけで密葬を行う予定。