全日本のエース武藤敬司(47)が23日、プロレス界では異例のタイトル戦前日計量に臨んだ。24日の神奈川大会(横浜文化体育館)でカズ・ハヤシの持つ世界ジュニアヘビー級王座に挑むため、通常体重の115キロから同級リミットの105キロへの減量を宣言。横浜市内の道場で行われた計量は、余裕たっぷりの103キロちょうどでパスした。

 ダイエットを宣言してからの約1カ月は完全に酒を断ち、蒸した野菜やおでんなど、高タンパクで低脂質のものばかりを食べていた。特にちくわは毎日のように口にしているといい、「ちくわのスポンサーが付かないかな」。

 少しずつだが着実に減っていく体重を見るのが楽しみだったという。「1つの物事に打ち込むというのは久しぶりで、楽しかった。レスラー生活25年間、食べたくても食べられないときもあったからな」。準備は整った。「大事なことは、ヘビー級の体のまま減量したということなんだよ」。王者カズをヘビー級のパワーで圧倒し、ベルト奪取を誓った。