<全日本:東京大会>◇21日◇両国国技館◇8000人

 ゼロワン橋本大地(18)が、デビュー2戦目に臨んだ。05年に死去した父真也さんの同期、全日本社長の武藤敬司と一騎打ち。得意の左ミドルキックや、武藤のシャイニングウィザード、さらには蝶野正洋直伝のSTFなど、次々と技を繰り出した。それでも、最後は低空ドロップキック、シャイニング弾、ムーンサルトプレスと、力と経験の差を見せつけられて完敗。「やっぱりまだまだ。2戦目なので仕方ない」と肩を落とした。

 試合に向けて調整していた11日、東日本大震災が起きた。「被害を受けている方もいるのに、プロレスをやっていていいのか」と、少なからず葛藤(かっとう)もあったという。そんな中で、いい知らせもあった。父のころからのファンで、連絡が取れなかった岩手県釜石市のファンの男性と、20日にようやく連絡が取れた。切り替えて臨んだ一戦で、素質の片りんを見せた。