<OZ>◇9日◇東京・後楽園ホール

 輝優優(37)が18年にわたるリング生活にピリオドを打った。

 最後の相手は新人時代から大嫌いだったという尾崎魔弓。輝は94年にJWPでデビューしたが、当時のトップが尾崎だった。尾崎は対戦相手に指名された際「もう2度とプロレスをやりたいと言わないように、痛い目に合わせてやる」と発言。セコンドに永島千佳世、ポリス、桜花由美、西尾美香ら正危軍の面々がつき、引退試合らしいムードより、殺伐とした雰囲気がリングを包んだ。

 予想通り、次々にセコンドが介入し、1対5の状況が繰り広げられた。その状況を打破したのがアジャコングだった。ジャングルジャック21の盟友として、長い間ともに闘ってきた関係から、輝をサポート。他のJJの面々や、この日ばかりは正規軍も共闘して正危軍の乱入を制止。さらには引退した植松寿絵まで加わって、最後のハイアングル植松を見せる場面も。粘りに粘った輝だったが、尾崎の裏拳に沈んだ。

 それでも試合後、「やっぱり、プロレスが好きだ~、だからあともう1試合!」と希望し、パートナーに同期のカルロス天野、対戦相手には尾崎と欠場中のダイナマイト関西をリクエスト。関西はTシャツにジャージー姿でリングインし、急きょ決定した引退試合に花を添える。惜別のスプラッシュマウンテンを輝に見舞い、復帰間近であることを存分にアピールした関西は、凶器を使う尾崎に対してカットプレーに入るなど、途中からはパートナーと見なさず3対1で輝をアシスト。輝は付き人を長く務めていたデビル雅美から伝授されたファイヤーバレーを決め、ついに尾崎からの3カウントを奪った。

 セレモニーにはOZのレギュラーメンバーのほか、ライオネス飛鳥らも駆け付けて、盛大に見送られた輝。最後に「18年間、辛いこともうれしいことも、時にはやめたくなったこともありましたけど、それ以上にプロレスが大好きで、プロレスは私の人生全てでした。第2の人生も辛いことやいろんなことがあるでしょうがこんな引退試合をさせていただいたので、それをはねのけて頑張っていけると思います」と言う言葉を残して18年間にわたるプロレス人生の幕を閉じた。