<アイスリボン>25日◇後楽園ホール◇642人

 藤本つかさ(30)が豊田真奈美(41)を破り、ICE×∞(インフィニティ)王座を初防衛。「飛翔天女二世」と言われた藤本が元祖・飛翔天女を打ち破った。

 藤本は7・15新宿でICE×60を奪取した際、豊田を第一挑戦者として逆指名。さらには60キロまでの体重制限だった同王座をルール変更。体重制限を撤廃し、だれもが挑める王座に改めた。

 藤本にとって豊田は恩人とも言える相手。かつて女優業からプロレスへ転身した藤本は壁にぶち当たり、迷走していた時期がった。そのとき、たまたまZERO-ONEのリングにて豊田とのタッグを結成。これがきっかけとなり、プロレスの楽しさを知り、開眼するにいたった。

 試合は豊田のペースで進み、カウント2で豊田自身が藤本を引き起こす場面も見られた。これに対し、藤本も、カウント2で豊田を引き起こすお返しを見せる。

 藤本が最後を決めたのは豊田の十八番であるジャパニーズ・オーシャン・クインビー・ボム。2連続で決めると、豊田は静かにカウント3を聞いた。

 豊田はかつて、北斗晶を超えた際、北斗の必殺技であるノーザンライトボムを放ってフォールを奪ったことがあった。歴史は繰り返す。今度は藤本が豊田超えを果たした。

 藤本は「これからの女子プロレス界は私が引っ張ります。ここにいるみなさんがその証人になってください」と、業界全体のけん引役を買って出た。4月に愛川ゆず希、8月には栗原あゆみが引退し、そのけん引役が失われたかに見えたこの女子プロレス界に、藤本つかさが名乗りを上げた。