<Krush女子タイトルマッチ>◇13日◇東京・後楽園ホール

 3・16「Krush-EX

 2014

 vol.1」でKrush初代女子王者に輝いた朱里(ボスジム)。その後も舞台で主役を演じ、プロレスではメキシコ遠征を果たし、2本のベルトを防衛するなど、八面六臂の大活躍。約4カ月ぶりのKrush参戦で初防衛戦を迎えた。

 挑戦者の谷山佳菜子(正道会館)は、2009&2010年の極真会館世界女子空手道選手権大会・軽量級で2連覇を飾り、2010年12月にプロデビュー。3年間で2つの国内チャンピオンベルトを獲得した、圧倒的な実績の持ち主。初防衛戦から、強敵を迎え撃つことになった。

 朱里が初防衛後に発した希望が通り、女子のタイトルマッチも男子と同じ3分3R(延長1R制)となり、トリプルメーンイベントの第1試合という扱いを受けた。

 まず挑戦者の谷山は空手着を身にまとって入場。続いて朱里のテーマ「トレーニングモンタージュ」が後楽園ホールに鳴り響くと、館内がどよめく。朱里は南側客席の出入り口から登場した。

 まずは1R、朱里が「多様な蹴りを使う選手」と戦前の印象を語っていたように、谷山は前蹴りと左右のミドル。朱里は距離を詰めてパンチに持ち込もうとする。谷山は徹底した前蹴りで距離を取らせない。それでも朱里はパンチに対してフックを被せる。さらに前に出続ける朱里がバックブロー、さらに右フックを決めると1R終了。

 2R、谷山がジャブと前蹴りのコンビネーションで距離を取り、朱里が詰めていく展開が続く。谷山の右ミドルをブロックした朱里は左フック。ここで接近戦になるも、両者にホールディングの注意が。朱里は一気に距離を縮めるとヒザを炸裂。さらに右フックで谷山の動きを止める。谷山も前蹴りを繰り出し、顔面、ボディに左右のストレート。朱里はバックスピンキックをヒットさせるも、谷山もミドルで返す。

 3R、谷山は変わらずリングを回り、前蹴りを狙っていくが、朱里は左ジャブから右フック。ボディへのヒザ蹴り、右ストレート、クリンチからの左フックで攻め込む。朱里の猛攻は続き、バックブロー、右ストレート、飛び込みながらの左フックをヒット。ここで試合終了のゴング。

 前蹴りを中心にリングを回る谷山とそれを追いかける朱里という展開になったが、後半に連れて朱里の手数が上回り、危なげない試合運びを展開した。

 判定は29-28、30-29、30-29の3-0の判定で朱里がKrush女子王座初防衛に成功した。

 試合後、朱里は「Krush女子チャンピオンとして防衛することが出来ました。しかし倒すことは出来ませんでした。でもボスジムでどんどん練習して強くなっていきます。このKrushで男子より刺激的な試合が出来るように練習していきます。そしてK-1に出たい!」と11月3日、代々木大会からスタートする新生K-1への出場をアピールした。

 控え室では「防衛できたことはうれしいですが、反省点もいっぱいありました。最初相手を見てしまって、行くのも遅かった。それがわかったので次の試合ではレベルアップできると思う。あと倒すこと(KO)ができなかったので、もっともっと練習をして次は必ず男子にも負けない刺激的な試合をしたいと思います」とコメント。また、K-1への出場アピールについては「K-1は誰でも知っているし、ここに出ることは夢が広がるし女子がもっともっと盛り上がると思う。だから自分の手で女子も盛り上げていきたい」とその理由を語った。朱里の夢は現実となるか?