ボクシングの前IBF世界ミニマム級王者・高山勝成(31=仲里)が、不屈の魂でよみがえる。8月にメキシコで行われたWBO同級王者フランシスコ・ロドリゲス(21=メキシコ)との世界2団体王座統一戦に敗れて進退を保留していたが、8日に大阪市内のジムで会見を開き、再起を表明した。

 さらにロドリゲスがIBF王座を返上し、同級1位と2位が空位のため、IBFから現在同級3位の高山に同級4位ホセ・アルグメド(25=メキシコ)と王座決定戦を行うよう指令が届いていることを発表。今月末までに、開催時期や場所について両陣営が交渉することになった。

 高山は「現役続行することを決めました。やられたらやり返す。4団体制覇に向けて、走りだします」と復帰へ向けた決意を語った。現在はミニマム級のリミットより約10キロ重い57キロまで体重が増えているが、本格的な練習を始めて体を絞っていく。WBA、WBC王座も獲得したことがある高山にとって、残る1つのWBO王座が念願のタイトルだが、まずはIBF奪還から再スタートを切ることになる。

 これからアルグメド陣営と交渉する中出博啓トレーナーは「12月末から1月にかけて、日本でやりたい。でも、交渉事だからメキシコになるかもしれないし、条件次第では入札になる確率もある」と説明する。高山と中出トレーナーは先週、長崎・五島列島に旅行に出掛けて2人だけで話し合い、再起に向けて気持ちが固まったという。中出トレーナーは「これまでの実績とかは考えず、無冠の選手がタイトルを取りに行くという気持ち。ガムシャラに行きます」と力を込めた。