三沢さんの母校も「三沢カラー」のユニホームへ。13日の広島大会の試合で亡くなったプロレスラーでノア社長の三沢光晴さん(享年46)の母校、栃木・足利工大付レスリング部が、来年度にもユニホームの色をエメラルドグリーンに変えることを検討中であることが、23日までに分かった。同部の石川利明監督(50)は「偉大なるOBの遺志を継ぐという意味で、学生たちのモチベーションも上がる。来年度は検討したい」と話した。

 石川監督も同校出身。三沢さんとは4歳違いだが、接点はあった。80年の栃木国体少年の部で、三沢さんは87キロフリースタイル優勝。当時日大4年の石川監督は成年の部の48キロ級で優勝していた。その年に行われた合宿では、ともにトレーニングを積んだ。会話を交わす機会は少なかったが、「寡黙でまじめ。黙々と練習する選手だった」と振り返った。

 同校のユニホームは石川監督が赴任した81年は赤、1度、98年にグリーンと白に変えたが、これは三沢さんを意識したものではなく、石川監督の「目立つから」という理由だった。その後、06年に紺と白、昨年からは青を採用している。同校レスリング部にはプロレス好きの選手も多く、「授業では三沢と川田(利明)の話を出すことはあるが、部活動ではあまりなかった。今後はこんな先輩もいたと語り継いでいきたい」と石川監督。三沢魂は母校にも引き継がれることになりそうだ。【塩谷正人】