全日本、新日本、ノアのプロレス界メジャー3団体の首脳が27日、都内のノア事務所で会談し、11月に所属選手や参戦する選手にプロレスラーライセンスを発行することで合意した。ライセンス発行委員長の新日本の山本小鉄氏(67)は「プロレス発展のため。今までいがみあっていた各団体が歩み寄ってやる。11月に交付します」と話した。

 3団体の首脳が集まるのは今回が3度目。当初は6月下旬に同ライセンス発行に向けた打ち合わせを行う予定だった。だが、同13日のノア広島大会で三沢光晴さん(享年46)が試合中の事故で急死。この日に延期となっていた。

 首に故障を抱えていた三沢さんの事故を受け、ライセンス交付には「プロレス出場可能」という医師の診断書の提出を義務化。これを1年ごとに更新する。これまでひざや首に重度の故障を抱えながら、興行優先のため多くの選手がリングに立っていた。山本氏は「レスラーはどこか悪くても言わないが、今後は医師がだめと言ったら(ライセンスを返上し)リングには上がれなくなる。三沢選手が警鐘をならしてくれた」と話した。

 選手の体力、技術面は各団体の基準に任せて交付する。全日本、新日本、ノアの所属選手と、3団体に参戦するフリー、他団体の選手、年間契約で参戦する外国人選手が対象になる。【塩谷正人】