<ハッスル:東京大会>◇30日◇東京・後楽園ホール◇1730人

 往年の凶悪レスラー、アブドーラ・ザ・ブッチャー(68)とタイガー・ジェット・シン(65)が、19年ぶりのシングルマッチで大乱闘を演じた。30日、東京・後楽園ホールで行われたハッスル後楽園大会で対戦。全盛時代と同じように開始早々、2人とも凶器を手に観客席で乱闘。シンがサーベルの柄でブッチャーのひたいを突いて流血させると、怒り狂ったブッチャーが目つぶしの白い粉をシンにぶちまけ、フォークで猛反撃。お互い1度もリングに上がることなく、5分18秒、両者反則負けとなった。

 90年6月の全日本日本武道館大会以来の一騎打ちだった。ブッチャーは「黒い呪術(じゅじゅつ)師」、シンは「インドの猛虎」と呼ばれ、希代のヒールとして、アントニオ猪木氏や故ジャイアント馬場さんらと抗争を繰り広げた。両者は26日のハッスル両国大会で約20年ぶりにタッグを組んだが、ブッチャーがフォークをシンに誤爆し仲間割れしていた。