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 EVENTS>◇20日◇米ハワイ州ブレーズデル・アリーナ

 2008年北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストで、総合格闘家の石井慧(23=アイダッシュ)が初勝利を挙げた。

 右構えの石井が2戦目から左構えに変更したのは故障が原因だった。昨年6月、レスリング練習での関節技で首と腕の神経を伸ばされた。国内の4カ所の病院で検査した結果、バーナーペイン(バーナー症候群)と診断された。この故障は首から腕にかけて電流が走るような激痛をともない、腕が伸び切るような感覚障害、握力低下が起こる。石井自身も右腕が左腕の長さよりも指関節1つ分長くなっていた。

 アメフト選手がよくかかる故障で、担当医には「完治までには3年」と宣告された。もともと左股(こ)関節痛もあり、左足を軸足とする右構えでは戦えない状態になっていた。石井は「手に力が入らないなら辞めろと言われた。治るまでに時間がかかるならばサウスポーにすればいいと思った」と経緯を明かした。吉田戦を控えていたため公表せずに戦っていた。