2階級制覇王者で元WBC世界ライト級王者エドウィン・バレロ(28=ベネズエラ)が18日、中部カラボボ州バレンシアのホテルでジェニファー夫人(24)を殺害したとして殺人容疑でベネズエラ警察当局に逮捕され、19日未明に刑務所内で自殺した。AP通信などが報じた。バレロ容疑者は容疑を認めていたといい、アルコール依存症だったとの情報もある。

 バレロ容疑者は18日早朝、宿泊先ホテルの受け付けで妻を殺害したなどと告げ、駆けつけたベネズエラ警察の警察官が室内でジェニファー夫人の遺体を発見した。遺体には数カ所の刺し傷があり、同容疑者は容疑を認めているという。

 強打で知られるバレロ容疑者は幼少時からストリートファイトで拳を鍛え、アマチュア戦績は通算86勝(17KO)6敗。02年7月にプロデビューし、一時は生活拠点を日本に移して帝拳ジムと選手契約を結んでいた時期もあった。デビューから18戦連続で1回KO勝利を飾るなど、これまで27戦全勝ですべてKO勝ち。「KOダイナマイト」の愛称がついていた。04年に頭部手術を受けた影響で米国ライセンスをはく奪されたが、08年に再取得していた。

 06年にはWBA世界スーパーフェザー級王者となり、08年6月の4度目の防衛戦で嶋田雄大(ヨネクラ)を7回1分55秒TKOで下して王座を返上。09年4月にWBC世界ライト級王者となり、2階級制覇を達成していた。2月には同級王座の2度目の防衛に成功、重量が上の階級で闘うとして王座を返上していた。

 同容疑者は先月、妻に暴力を加えた疑いで一時身柄を拘束されていた。最近はアルコール依存症の治療を受けていたとされ、親睦(しんぼく)のある同国のチャベス大統領からキューバの施設に入るよう勧められていたという。同容疑者は近いうちの入所を考え家族とともに行きたがっていたが、妻はこれを嫌がっていたことから話しがこじれ、今回の悲劇が生まれたとの情報もある。