<レジェンド・ザ・プロレス:東京大会>◇10日◇東京・後楽園ホール◇2054人

 「名勝負数え歌」と呼ばれ、昭和プロレスの代表的な人気カードだった藤波辰爾(57)と長州力(59)のシングルマッチが、13年5カ月ぶりに行われた。両選手と初代タイガーマスクが立ち上げた「レジェンド・ザ・プロレス」の第1回興行が10日、東京・後楽園ホールで行われ、藤波が長州を9分29秒、エビ固めで撃破。通算対戦成績を15勝6敗2分け4無効試合とした。

 「レジェンド-」は3人が高い知名度を利用し、興行や慈善活動を行うプロジェクト。長州が「第1回のメーンは僕らしかない」と藤波に呼び掛け、実現した。長州は先月28日から年越しサイパン合宿を敢行。試合1カ月前から他の仕事の話を保留し、本番に備えた。一方の藤波は、先月14日に胆石の除去手術を受けた。それでも体調不良を感じさせず、コブラツイストを背負い投げで返されたところを、すかさずエビ固めで3カウントを奪った。

 97年8月の新日本ナゴヤドーム大会以来の両雄対決とあって、会場は当日券を求める徹夜組が出るなど2054人の超満員で埋まった。プロレスの持つ力を再確認した藤波は「今日のような雰囲気をもう1度、取り戻すのが私たちの役目」と話した。再戦の可能性について長州は「お互いが同じ道を進んでいたら」と前向きに語った。【森本隆】