<ノア:大阪大会>◇15日◇大阪府立体育会館◇3400人

 ノア秋山準(41)が、約5カ月ぶりにリングへ戻った。左肩と両ひじの故障で昨年8月以降欠場していたが、15日の大阪大会(大阪府立体育会館)で復帰。地元大阪のファンから「お帰り」と激励が飛ぶ中、斎藤と組んだタッグマッチで潮崎、谷口組と死闘。19分21秒、潮崎にゴーフラッシャーからの片エビ固めを決められて敗れたが「最前線の2人が相手。今の実力と調子も分かったし、復帰戦でこれぐらいやれればいい」と手応えをつかんだ。

 昨年8月、GHCヘビー級王者杉浦に敗れた後、変形性肩関節症と同ひじ関節症を患って手術した。リハビリ中は「オレもすっかりおじさんだから、工夫してやらなければ」と練習メニューを見直し、下半身を徹底強化。連日のように自転車にまたがり、自宅近辺の横浜市青葉区内で起伏の激しい道路を1日平均20キロ、長いときで70~80キロを走破した。上腕部も筋肉の内側を強化して故障予防と持久力がアップ。相手のチョップに胸板を赤く染め、左肩への執拗(しつよう)な攻撃に顔をゆがめながらも、「かかってこいや」と連呼して真っ向勝負を続けた。

 ノアは09年の三沢氏亡き後、ヘビー級に故障者が相次いだ。中でも重鎮の小橋は昨年1月に手術を受けて以来、復帰のめどが立っていない。「昔はノアのことばかりを先に考えていた。でも、今はどちらかというと自分。オレが結果を出していくことで、秋山=ノアの盛り上がりを見せたい」という秋山。あらためて、リーダーとしての覚悟を決めた復帰戦となった。【山下健二郎】