プロレスラー長州力(59)が2日、福島・大熊町からの避難者約300人が生活する県立郡山高校で炊き出しを行った。地震、津波、原発事故で傷を負った町民へカレー、豚汁を振る舞った。新日本プロレスの三上恭佑(27)も同行し、団体を超えて尽力した。長州は「力を貸してくれてありがたい。原発の影響?

 全然気にしてない」。水道水で溶いた青汁も飲んでいる。

 歴史の壁も越えた。長州の出身地・山口(長州)と福島(会津)は、1868年の会津戦争で争った。今でもわだかまりをもつ人もいるという。長州は「郡山は東北シリーズでよく来た。その時に温かい声援をもらった。『長州』の名を育ててくれた場所。感謝している」。歴史は関係なく、恩返しのために郡山に戻ってきた。

 用意された食事は誰1人残さなかった。避難中の斎藤英吉さん(56)は「あったけ~のを頂けて感謝しかない」と涙を浮かべた。

 今後も支援活動を行う予定だ。長州は「山口にはおいしい湧き水もある。届けてあげたい」と話した。【湯浅知彦】