WBC世界スーパーフェザー級王者の粟生隆寛(27=帝拳)が、被災地に力を届けるメッセージをトランクスに刻んでV1戦のリングに立つ。明日8日のトリプル世界戦(神戸ワールド記念ホール)に向け、7日、神戸市内での調印式に出席。この日27歳の誕生日を迎えた粟生は「We

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 Tohoku-Kanto」とトランクスに縫い込んだことを明かした。

 粟生が調印式後に切り出した。「本当に日本は大変な状況。被災者の方々に元気、勇気、力を伝えられるようにしたい」。決戦を前にしても、大震災の被災地をおもんばかった。世界王者として自分自身にできることは何か-。その思いを勝負着に刻んだ。

 トランクスの右足側に「We

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 Tohoku-Kanto」と縫い込んだ。粟生は「みなさん、いつも応援をありがとう。一緒に頑張りましょうという意味を込めています」と解説した。既に自ら後援会と協力して義援金を寄付、Tシャツの売り上げを寄付することも決めている。

 今回の興行は世界の注目も高い。既にメキシコ、アルゼンチン、イタリアでの中継が決定。米国や欧州各国からも中継オファーが届いている。最終的に世界10カ国以上で放送される見通し。3大世界戦の最初にリング登場する粟生が、英語メッセージを携え、初防衛に成功すれば、復興に向けた日本の結束を世界に示すことにもなる。

 「記憶に残る誕生日。ムダにしないように頑張りたい」と粟生。挑戦者グチェレス陣営から「計量後に誕生日ケーキを贈ります」と挑発されたが「グラシアス(ありがとう)」とスペイン語で返す余裕もあった。【藤中栄二】