総合格闘技団体のパンクラスは18日、宮城県気仙沼市の面瀬(おもせ)中学校で炊き出しを行った。スポンサー契約をしている和食料理店「鰓(えら)呼吸」と協力し、キッチンカーとともに現地入り。漬けマグロ丼とみそちゃんこ各300人分を差し入れた。刺し身が避難所に届くのは珍しく、このマグロは14日に宮城・塩釜漁港で震災後初めて水揚げされたものだ。

 パンクラスの現役選手でもある川村亮社長(29)は「給料を被災地に寄付したいという選手も多かったので、慈善団体の仲介で、炊き出しをやらせてもらいました。マグロ丼は、お店の方の提案。喜んでもらえてうれしい」と話した。同店のスタッフが被災地で「魚を食べたい」という声を多く聞き、マグロが塩釜に入るタイミングで炊き出しの日程を決めたという。

 自宅が津波で流され、面瀬中に避難した女性(65)は「避難してから初めてのお刺し身。40日ぶりぐらいです。おいしかった。周りの避難所にも分けてあげたい」と感激していた。【柴田寛人】