レスラー大谷晋二郎(38)率いるゼロワンが3日、東日本大震災後の被災地で、震災後の初のプロレスを無料で開催した。宮城県亘理町のパチンコ店駐車場にリングを設営。炊き出しをして、チビッコプロレス教室や試合を行った。

 マイクを握る大谷が「皆さんを元気にさせるために、またやってきます」と約束すると、客席からは「ありがとう!!」との掛け声が返ってきた。実家を津波で流された家族4人連れの主婦大泉里佳さん(39)は「震災後は何の行事もなくて寂しかった町を元気づけてくれた。一生忘れません」と、瞳を潤ませた。

 大谷は震災前から、全国各地の小学校を「いじめ撲滅運動」のボランティアで回っていた。震災後は、3月20日に福島県郡山市、4月7日に岩手県大船渡市に救援物資を運んでいた。本職のプロレスでのイベントを、町と、企画したパチンコ店からの招待を受け、このたび実現した。

 子どもたちには「プロレスラーのように、やられても何度でも立ち上がるのが、本当に強い子」と不屈の姿勢を教えて、大人たちには「今こそ僕らの一生懸命さを、子どもたちに見せましょう」と呼び掛けた。【瀬津真也】