全日本は1日、5月29日の神戸大会の試合後に急性硬膜下血腫で開頭手術を受けたスーパー・ヘイト(41=本名・平井伸和)が、試合前の控室で暴行を受けていたことを発表した。内田雅之取締役(49)と、スーパー・ヘイトが属する悪役軍団ブードゥー・マーダーズ(VM)の総帥TARU(46)が都内で会見し、TARUが試合前に暴行したことを明かした上で、無期限出場自粛を申し出た。

 5月の九州シリーズで起きたビジネス上のトラブルが原因で、2人は神戸大会の試合前の控室で口論となり、TARUがスーパー・ヘイトを数発殴打した。関係者が止めに入り、とりあえず和解。関係者の「試合はできるか」の問いに、スーパー・ヘイトは「大丈夫です」と答えたという。KENSOと対戦し、TARUもセコンドについた。だが、試合後に体調不良を訴えて嘔吐(おうと)、病院に搬送されて緊急手術を受けた。

 TARUは「結果的にこうなってしまった。殴った後に和解してセコンドにもついたのに。チームリーダーとして責任を感じている。深く反省しています」とうなだれた。控室に一緒にいたVMのKONO、MAZADA、稔らが手を出したかについて、TARUは「興奮して、何も覚えていない」と説明。会見後はスーパー・ヘイトのお見舞いと親族への説明のため神戸に向かった。

 現在、スーパー・ヘイトは自力呼吸はしているが、意識は回復していない。全日本はTARUの出場自粛の申し入れを受け入れ、取締役のカズ・ハヤシらが現場にいたレスラーたちにも事情聴取をしている。内田取締役は「TARUの行為が直接的な原因かはまだ定かではない。もし決定的になれば、我々の(レベルの)話ではなくなる。慎重に判断したい」と話した。試合会場の所轄の兵庫県警葺合署は「その事案自体を認識していない」というが、状況次第では刑事事件に発展する可能性が出てきた。