ノアの小橋建太(44)が、577日ぶりにリングに立つ心境を、日刊スポーツに明かした。右肘のけがのため09年12月から欠場していたが、23日の大阪大会(大阪府立体育会館)で1年7カ月ぶりに試合復帰する。手術、リハビリ、トレーニングを積み、その間、演歌歌手みずき舞(37)と14年におよぶ交際を実らせて結婚もした。復帰まであと1週間、熱く、静かに燃えている。

 東京・有明のノアの道場。酷暑の中で、小橋建太は復帰へ向けトレーニングを積んでいた。

 現在の気持ちを「道場と同じ。熱く燃えてます」と言い切る。がんをはじめ病気、けがから何度も復活。今回は過去最長の577日ぶりだ。「いつだって欠場は苦しい。試合ができないのはつらい。『プロレス命』でやってきたから。不安も大きい。でも、期待と不安があって、だんだん期待が大きくなっています」と言う。

 長期欠場の理由となった右肘部管(ちゅうぶかん)症候群。欠場前は右腕の感覚がなくなっていた。一心不乱にチョップを打ち続け、気が付くと右腕全面が真っ黒なあざになっていた。手術、リハビリを経て、物をつかむための親指と人さし指の間の筋肉も戻り、盛り上がってきた。「右手の握力は戻ってきた。ただ、小指と薬指には、しびれが残っている。でもリングに上がれば関係ない」。

 復帰戦ではGHC王座に返り咲いた潮崎豪(29)と組み、秋山準(41)斎藤彰俊(45)組と対戦する。「本当は準と組もうと思っていたんだけど、断られました。準は斎藤さんと組んで、タッグリーグ戦も優勝したしね。リングでやるなら、相手だと。豪が王者として横に立ってくれるから心強い。俺の中に燃えるものを感じる」と準備万端だ。

 小橋を後押しするのがファンの気持ち。先月13日に大阪で行われた三沢光晴選手の三回忌興行のリング上から復帰宣言。「ファンの声が一番。何物にも替え難い。復帰することを、一番にファンに伝えたかった。まず大阪の試合をしっかりやること。そこから、前に1歩ずつ進んでいく」。アツき男が帰ってくる。

 昨年10月、演歌歌手みずき舞(37)と結婚した。14年の交際期間を実らせてゴールイン。5度の長期欠場をともに乗り越え、体に負担の少ない食事づくりで支えてくれた。「僕は欠場中でもプロレス中継を見たりするから、一緒にいる彼女が励ましてくれる。彼女自身も歌で頑張っているから、お互いに刺激し合える。僕も歌のことは分からないから、何を言うでもない。お互いに頑張るのが一番」と感謝の気持ちを表していた。【小谷野俊哉】