WBC世界スーパーフェザー級王者の粟生隆寛(27=帝拳)が担当トレーナーの亡き師匠にV2防衛をささげる。11月6日、東京・代々木競技場第2体育館で、同級9位デビス・ボスキエロ(30=イタリア)と2度目の防衛戦を控える粟生は29日、都内の帝拳ジムで練習を公開。粟生が信頼を置く田中繊大トレーナーの師匠、アルゼンチン人トレーナーのアミルカル・ブルーナ氏が27日に他界。田中トレーナーを通じ、89歳で亡くなった同氏の技術と魂を受け継ぐ粟生は「一番、印象に残る試合をしたい」と強調した。

 この日、ボスキエロ陣営も視察に訪れていたが、隠すことなくカウンター気味の左ストレート、左フックなどをスパーリングで繰り出した。田中トレーナーは「ブルーナさんの教えを自分なりに吸収して粟生に伝えています」と明かした。担当トレーナーの気持ちを察している粟生は、世界戦初メーン登場を控え「ボクシング界を引っ張っていきたい」と意気込んでいた。【藤中栄二】