<特集・UFCがやってくる!!(5)>

 超人オリンピック連覇王者で、宇宙超人タッグ王者のキン肉マンが、26日開催のUFC

 JAPAN(さいたまスーパーアリーナ)に“参戦”した。12年ぶりの日本開催を記念して制作された大会ポスターに、ライト級王者エドガーら出場選手とともに登場。世界的なファイターとヒーローによる夢の共演が実現した。

 制作にあたったのは、人気格闘漫画「キン肉マン」の著者ゆでたまご。原作担当の嶋田隆司氏(51)は「作品中でも金網マッチが行われ、タックルや関節技も出てくるけれど、何より生身の人間が戦うところが面白い。UFCを初めて見たときに“夢がかなったな”と感じた」という。

 作品に登場する超人や技は、実際の格闘技から生み出されたものが多い。嶋田氏は毎週末に興行へ足を運び、ときには渡米してUFCを生観戦。2階級制覇王者ランディ・クートゥアと食事を共にするなど精力的に取材し「現実とかけ離れすぎると、読者は冷める。できないようで、実際にできる技にこだわっている」。主人公の必殺技「キン肉バスター」も関節技やバックブリーカーをベースに、作画の中井義則氏(51)と研究を重ねて編み出した。

 プロレス系漫画として始まったキン肉マン。UFC第1回大会で、最軽量のホイス・グレイシーが柔術を駆使して優勝したことが、作品づくりに影響を与えた。嶋田氏は「それまで何が最強の格闘技なのか分かっていなかった。今後の展開を思案していたときで、続編に生かせると思った」という。「今回も、どんなヒントが隠されているのか楽しみ」。超人も驚くリアルファイトを期待し、目を輝かせた。【山下健二郎】

 ◆キン肉マン

 79~87年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された格闘技漫画。キン肉星の王子で日本に住むダメ超人キン肉マンが、個性的な仲間との友情を育みながら型破りなバトルで悪の強敵を倒し、地球の平和を守る。全387話でコミックは全37巻。83年からテレビアニメ化され、登場キャラの消しゴム「キン消し」が大ブーム。昨年11月から集英社「週プレNEWS」で24年ぶりとなる続編をウェブコミック配信連載中。