元K-1ヘビー級王者で、東洋太平洋ヘビー級8位の藤本京太郎(25=角海老宝石)が、日本ボクシング史上初めて同級世界ランカーと対戦濃厚であることが28日、分かった。6月20日に大阪で行われる国内初の団体王座統一戦の前座で、WBC世界19位ジョアン・デュオパ(31=フランス)との対戦に両陣営が合意。条件面など最終調整を行い、正式決定の運びとなる。

 デュオパは195センチの長身で、プロ通算27勝(16KO)1敗。WBC地中海圏、WBAフェデボル、同南米の地域タイトルを獲得し、10連勝中と勢いもある。身長差で12センチ下回り、同試合がプロ4戦目となる京太郎にとってリスクを伴う相手だが、まずは目標とする年内の東洋王座奪取、将来的な世界王座へ、実力を試す絶好の機会となる。

 浅からぬ因縁もある。デュオパは、同じフランス出身で「K-1番長」「無冠の帝王」といわれたジェロム・レバンナと親交が深く、スパーリング相手を務めてきた。K-1時代にレバンナに勝ち、王座を返上してボクシングに転向した京太郎にとって、その“弟分”にぶざまな戦いを挑むわけにはいかない。

 約2週間のオーストラリア合宿で元2階級制覇王者ダニー・グリーンらと拳を交えた京太郎は「まだまだ課題は多いけれど、6月は東洋戦を意識して戦いたい」という。5月17日の所属ジム興行(東京・後楽園ホール)での3戦目からわずか1カ月後の連戦となるが「僕がヘビー級で戦うことで、国内の重量級が活性化すれば」と日本人初のヘビー級世界ランカー戦に使命を感じてリングに立つ。

 ◆京太郎とレバンナ

 京太郎がK-1ヘビー級王者となった半年後の10年10月、K-1

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 GPの1回戦で対戦。3回終了時で判定0-1で延長戦にもつれ込んだが、判定を不服としたレバンナが延長戦を戦うことなく試合を放棄。記録上は京太郎の勝利となった。