バンタム級の日本エースがKOで、新王者に実力の違いを見せつける。12日にV4戦(東京・大田区総合体育館)を控えたWBC世界バンタム級王者山中慎介(30=帝拳)が、6日に都内のジムで練習を公開した。同級では1日に亀田3兄弟の三男和毅(22)が、長男のWBA王者興毅(26)に続いてWBOで世界王座に就いた。統一戦を願う和毅は帝拳ジムへ当日観戦を申し入れてきた。山中は世界戦4戦3KOの強打を目の前で披露し、若き王者に返礼するつもりだ。

 「同じバンタム級で、一番強いのは自分と証明したい。自分や家族のための試合だが、周りの評価も気になる。勝ち方でアピールしたい」。山中は言い切った。亀田陣営から観戦の申し入れがあった。前回も観戦したが、今回は新王者としてリングサイドに座る和毅。その目に格の違いを焼き付けるつもりだ。

 今年になって、国内でもWBO、IBFが認められた。1日に和毅が同級でWBO第1号王者になった。山中は所用があったため、テレビ観戦したのは終盤3回だけ。「足がよく動いていた。22歳で強いです」。新王者に敬意は払ったが、胸の内は違う。

 和毅は終始足を使ってポイントを稼いでの勝利だった。山中はここまで世界戦4試合で、3試合にKO勝ちしている。「倒す」というボクシングの神髄を追求してきた自負がある。

 山中も統一戦の希望はあるが「日本人で争っても」とも話す。先輩の西岡に次ぐ、米国の本場リングを目標とする。実際、統一戦となると、テレビ中継局が違うという大きな障害がある。興毅は階級を下げての4階級制覇が大目標。対戦実現の可能性は低いだけに、中身で、結果で勝負する。

 準備は万全だ。最大の敵は苦手な夏の暑さも「苦労すると思ったが順調。自信あります」。公開練習ではミット打ちで相変わらずの強打を披露。視野にあるのは必殺の左で3連続防衛だけだ。【河合香】