<女子プロボクシング:IBFライトフライ級王座決定戦10回戦>◇14日◇東京・後楽園ホール

 IBF世界ライトフライ級8位柴田直子(32=ワールドスポーツ)が、3度目の挑戦で悲願を達成した。同級11位アロンドラ・ガルシア(18=メキシコ)と王座決定戦で対戦。序盤から的確なパンチでポイントを稼いで3-0の判定勝ち。日本女子10人目で、初の同団体王者となった。

 柴田は水色のIBF女子ベルトを抱えて喜びを実感した。「重い。この年で栄光をつかめてうれしい」としみじみ。昨秋の世界初挑戦は小差判定負け。3月の再挑戦は「勝って当たり前」と言われたが、1-2の判定負けに引退も考えた。「素質も才能もないがあきらめなかった。努力して…」と声を詰まらせた。

 初回に左まぶたをカットした。「2、3回はぼやけて焦った」というが、14歳下で11戦全勝の相手に的確なパンチをヒット。前半1分は様子見、後半1分でポイント狙いの作戦が奏功した。

 スパーリング相手だった藤岡が、前日に2階級制覇した。「力になったし、恩返ししたかった」と感謝する。今回は王座決定戦。「王者に勝ってないので通過点。メンタルを鍛えて」と、防衛戦を見据えた。

 ◆柴田直子(しばた・なおこ)1981年(昭56)4月14日、東京都足立区生まれ。アマ12勝7敗で05年全日本大会優勝。08年11月プロデビューし、戦績は11勝(3KO)3敗。右ボクサーファイター。珠算8段で芝商2、3年で全国2位となる。会社員。