全日本プロレスが7月1日から新会社として再スタートすることが4日、分かった。名称はそのままで、秋山準(44)が新社長に就任。所属選手も全員が新会社に移り、これまで通りの活動を続ける。現在、運営している全日本プロレスリングシステムズ株式会社(白石伸生オーナー)とは、経営権や商標登録を譲り受ける方向で最終調整中だ。

 厳しい経営状況が続いていた全日本が、秋山を社長に出直すこととなった。関係者は「全日本ファンには、団体名も選手も何も変わらないので安心していただきたい」と話し、過去のようなゴタゴタはないことを強調した。

 全日本は、12年11月に白石オーナー(当時は株式会社スピードパートナーズ)が会社の株を100%取得。大胆な構想や、他団体への挑発など話題を提供し、独自の路線を歩もうとしたが、前会長の武藤敬司らが反発。大量離脱し、分裂した。

 その後、秋山や曙の加入もあり、地道な活動を続けていたが、低迷を打破するまでにはいかなかった。選手へのギャラの支払いが滞るなど、運営の行き詰まりもささやかれていた。団体内部からも、運営体制の見直しを求める声が高まり、秋山が前面に出ることになったようだ。

 秋山らは、現在新たなスポンサーとの交渉を進めているという。新会社は7月1日に発足するが、現運営会社との契約で、7、8月のシリーズは現状のまま実施。9月から新会社による運営がスタートする見込みだ。1991年、故ジャイアント馬場さん自らのスカウトで全日本入りした秋山に、全日本の再生が託された。