IGF王者石井慧(27)が21日、都内のホテルで23日、両国国技館で行われる初防衛戦を前に、挑戦者ミルコ・クロコップ(39=クロアチア)との調印式に臨んだ。過去、対日本人無敗のクロコップを前に、決戦への闘志を高ぶらせた。

 終始笑顔で調印式を終えた石井だったが、クロコップとの初対面で思わぬ驚きがあった。「ミルコ、そんなに大きくなかったですね」と式後に感想を漏らした。調印書にサインし、2人が立ち上がって握手を交わすと、181センチの石井と「188センチ」といわれるクロコップの身長はほとんど変わらなかった。

 石井は、23日の対戦について「21日の調印式で会ってみて、体を見てから」と話していた。実際に握手をし、クロコップの背格好も確認した。中でも、ほとんど変わらない身長差は大きな収穫だ。無差別級で戦う石井は、これまでの対戦相手のほとんどが自分より大きい選手だった。首相撲やクリンチなどで上からのしかかられ、体力を消耗することも多かった。

 今回は身長が変わらず、体重も107キロで約100キロのクロコップよりも重い。相手の圧力を気にせず、こちらから圧力をかけていける。思い描いたシミュレーションに、新たに有利なデータが加わった。「あこがれのミルコと試合できることを誇りに思う。2人が試合で相対する空間を楽しみたい」と余裕の表情で話した。日本人キラーを止める準備が整った。【桝田朗】