元IBF世界ミニマム級王者高山勝成(31=仲里)と、同級6位大平剛(30=花形)が対決する大みそかのIBF世界同級王座決定戦(大阪・ボディメーカーコロシアム)が、WBOタイトルも加えた「世界2団体王座決定戦」になることが9日、分かった。両者とも世界王者ではない王座決定戦で、複数団体のベルトが懸けられるのは日本初。世界的にも極めて異例。高山が勝てば、日本初の世界主要4団体完全制覇になる。

 高山を指導する中出博啓トレーナーによると、8月のIBF&WBO同級王座統一戦で高山を破って統一王者になったフランシスコ・ロドリゲスが、IBFに続いてWBO王座も電撃的に返上。WBO関係者が高山の実力を高く評価しており、2団体王座決定戦が決まったという。

 日本人による世界王者同士の2団体王座統一戦は、国内でも12年6月にWBC世界ミニマム級王者井岡一翔と、WBA同級王者八重樫東が対決した例がある。今回は現在無冠同士の選手の対戦で、勝てば一気に2つのベルトを得る「一挙両得」の仰天試合になる。

 高山はこの日、東大阪市の近大でボクシング部員相手に10回のスパーリングを消化。好機到来に「びっくりした。来るときが来た。プロキャリアのすべてを尽くして奪い取りに行きます」と言った。

 ◆高山勝成(たかやま・かつなり)1983年(昭58)5月12日、大阪市生まれ。中2でボクシングを始める。01年ライトフライ級で全日本新人王獲得。05年WBC世界ミニマム級王座、06年11月WBA同級暫定王座、13年IBF同級王座獲得。日本初の世界3団体制覇を達成した。158センチの右ボクサーファイター。