内藤が初めて言及「興毅と戦いたい」※画像クリックで拡大表示

 WBC世界フライ級王者の内藤大助(33=宮田)が大相撲の横綱白鵬(22=宮城野)と「王者タッグ」を結成した。28日、都内の宮城野部屋を訪れ、相撲トレーニングを行った。プロボクサーと横綱では亀田兄弟と朝青龍(27)の結び付きが有名だが、2人は「ヒールトリオ」に対抗して今後の協力関係を確認。白鵬が初場所(来年1月13日初日、両国国技館)で朝青龍を倒しての3連覇を目指せば、内藤は興毅戦実現に初めて意欲を見せ、亀田兄弟連勝を狙った。

 初めてまわしをつけて土俵に入った163センチ、56キロの内藤は、白鵬にうっちゃり、猫だまし、足取りなどの奇襲を仕掛けた。身長差29センチ、体重差100キロの横綱を動かせないとみるや、禁じ手の「パンチ」まで浴びせる。場所前の大事な時期にもかかわらず、終始笑顔の白鵬から、14番も胸を借りた。異例の好待遇。強いきずなの証しだった。

 内藤「小学校時代は力士になりたいと思っていた。でも、横綱の体はサンドバッグよりごつくて硬かったですね。けいこは激しくて、ボクシングより痛い」

 白鵬とは共通のスポンサーを通じ、9月の横綱昇進パーティーで知り合った。この日はしこ、てっぽう、すり足と相撲の基礎から丁寧に教わった。約1時間半のけいこ後も、約2時間ちゃんこ鍋を囲んだ。ボクシング、相撲だけでなくプライベートまで話は及ぶ。ともに父親の顔を持つ2人は来年中の子づくりまで誓い合って親交を深めた。

 これまでボクサーと横綱のタッグといえば、亀田兄弟と朝青龍が有名だった。だが、くしくも今年は互いに騒動の主役になった。亀田兄弟は反則、朝青龍は仮病疑惑で断罪され、世間的にはヒールの立場に立たされた。対照的に内藤と白鵬は最高の1年。内藤は7月に世界王座奪取、10月には大毅を下して、知名度を上げた。白鵬も横綱昇進、結婚、長女誕生と喜びに包まれた。

 亀田兄弟と朝青龍の「ヒールトリオ」と内藤と白鵬の「善玉タッグ」。白鵬はニヤリと笑うだけでコメントしなかったが、内藤は「僕は決していい人ではないけど、世間的には対照的で面白いんじゃないんですか。来年は(善玉とヒールで)互いに競争して刺激し合えばいい」と話した。

 内藤は白鵬から初場所に招待されている。そこで白鵬がまず朝青龍を倒して3連覇を飾る。内藤本人も、この日、初めて興毅戦に意欲を見せた。「ぼく自身も見たいカードだし、タイトルを保持していたら戦いたい」と大毅戦に続く亀田兄弟連勝を見据えた。来年はボクサーと横綱同士の異例の「タッグ戦」から目が離せない。【田口潤】[2007年12月29日8時40分

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