全勝を守り、優勝争いで単独トップに立った横綱白鵬(30=宮城野)だが、再び物議を醸しそうな土俵での態度を見せ、後味の悪さを残した。

 先場所は初日に敗れている小結逸ノ城(22=湊)との一番。左を張って右四つに食い止めると、腰を割って慎重に攻め、最後は向正面に寄り切った。

 その際、明らかに勝負がついたと思われたが、逸ノ城のアゴに「なぜ、もっと残ろうとしないんだ」とばかりに、“右アッパー”を一撃。その右手を、さらにグイと伸ばし、二重にダメを押した。

 土俵下で審判長を務めた藤島審判部副部長(元大関武双山)は「見苦しい? 見苦しいでしょう。相手が(土俵を)出ていないと思って行ったのならダメ押しじゃないけど、出てると思って(やったの)ならダメ押しでしょう。一番、番付が上なのだから、見本になるような立ち居振る舞いをしてもらいたい」と、苦虫をかみつぶした。

 これに対し支度部屋に戻った白鵬は、熱くなった? という問いに「まあ、締めていかないと。熱い物が出たと思います」と答え、ダメ押しの意識があったかどうかについては「ご想像にお任せします」とし、藤島審判長の見解を伝え聞くと「まあ気をつけます」と答えた。