元幕内の人気力士で5場所連続休場中の舛ノ山(25=千賀ノ浦)が、春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)から土俵に戻ってくることになった。10日、東京・台東区の部屋で朝稽古後「春場所から出ます」と明言した。右膝脱臼に加え右半月板なども負傷し、昨年夏場所途中から休場して手術を受けるなど治療に専念していた。西三段目100枚目だった初場所はそんきょができず出場を断念したが、週2回、3時間のリハビリで復帰のめどが立った。

 手術直後から稽古場に戻り、上半身は筋力アップ。体重も幕内在籍時と変わらぬ178キロをキープし「待ち遠しい。久々なので、緊張もします」と笑みを見せた。現在は酷使すると痛みが出る状況で、試行錯誤しながら調整中。師匠の千賀ノ浦親方(元関脇舛田山)も「ここまで落ちたんだから焦る必要はない」と、無理はさせないつもりだ。

 新たな目標もある。春場所は序二段陥落が確実。返り入幕を果たせば、昨年初場所の土佐豊(現安治川親方)の西三段目84枚目を超える戦後最も低い地位からの復帰となる。ともに平成生まれ初の関取となった高安ら同世代のライバルも活躍しており「自分も早く、幕内に戻りたい。まずは瞬発力のある立ち合いを思い出すこと」と意気込んだ。【桑原亮】