横綱白鵬(31=宮城野)が、荒々しい相撲で関脇嘉風(34=尾車)を“血祭り”にした。

 張り手とかちあげを駆使して、最後は寄り切り。その後、左足が土俵を割っていた相手の右足を持ち上げながら、土俵下へと投げつけた。

 嘉風の体がぶつかった井筒審判長(元関脇逆鉾)は、左足を負傷して救急車で病院に運ばれたが、嘉風も鼻血をこぼし、口からも出血。白鵬は右肩周辺に返り血を浴びつつも「今日はスピードある相手に、いい相撲を取れた。自分が嘉風関のスピードについていったということですかね」。大潮を抜く歴代単独3位の通算965勝目に、満足そうに振り返った。

 単独トップの大関稀勢の里を1差で追う展開。その稀勢の里については「落ち着いてるよね。みんなそう思ってるでしょ。その落ち着きがどこからきてるのか。今日あたりは、落ち着きなかったのかなと思うけど」と分析していた。