西幕下6枚目の豊ノ島(33=時津風)が、2場所での関取復帰に向け、幸先いい2連勝をマークした。

 東幕下5枚目の芝(25=木瀬)との一番は、肩で当たった左を瞬時に差し、前に出ながら右もこじ入れて得意のもろ差し。相手が引いたところで一瞬、グラッときたが「(引き技を)食っちゃったかなと自分でも思ったけど、横の稽古を多めにやっていたのが良かった」と話すように、余裕で残すと右から巻き落とした。

 昨年7月に皮下断裂した左アキレス腱(けん)を手術したが、送り足も問題なく「多少の不安はあるけど左足で踏ん張れた。いい感じで足が出た」と納得の勝利だった。

 これで2連勝。関取復帰には、よほど番付運に恵まれない限り、今場所も7戦全勝が求められる。負けられない状況には変わりないが「自分の相撲を取りきりたい。こんな経験も、なかなかできるものではないし、若い子には負けるわけにはいかない。あらためて自分は、本当に相撲が好きなんだなと思う」と一番一番にかける熱い思いを口にしていた。